告知
入院の際、本人を含め、家族にドクターから説明がありました。
レントゲンの写真をよーく見ると、右の気管支と肺との境目あたりが、ほんのちょっと腫れてみえる、ここに何かがあるかもしれないので、検査するということでした。本当によーくよーく見ないと、ただの肺炎にしか見えないところを、このドクターはよく気づいてくれました。
具体的には内視鏡検査をするということです。父はものすごく嫌がりました。過去、胃カメラ検査が必要な時でも、まさに胃カメラを入れようとする段階で、「やはりやめる」と言って帰ってきたことがあるのです。それを胃どころか、普段ものが入ってはいけない気管支に挿入するというのですから、とても怖がっていました。
内視鏡検査のあと、病院へ行くと、父が真っ赤な顔をしてうなされていました。肺を引っ掻き回されて、高熱が出ていました。とてもかわいそうでした。今思えばどうせ死んでしまうんだったら、こんな辛い検査受けさせなければよかったと思います。
3日間の検査入院最終日の前夜、病院に行ってきた母と妹が帰ってきました。「がんだって、がんだって!」翌日ドクターから結果を聞くことになっていましたが、母と妹が待ちきれずに、ドクターに聞いてきたらしいのです。とても悪性の癌の、しかも末期だということでした。
私と妹はたまらなくなり、また父のところへ駆けつけました。父は熱も下がり、「何二人そろって、こんな夜にまた来たの?」という感じでした。でも私は父の顔を見る時間はもうあまりないのかもしれない、という思いで父の顔を必死でのぞいていました。
母と妹と話し合った結果、治療のためには癌だということを本人に知らせる必要がある、でも父はとても気が弱いので、末期だと言うわけにはいかない、また、ドクターから始めに聞くのはショックが大きいから、長女である私から、軽く言っておこう、ということになりました。
次の日、退院の支度をしながら、私は父に言いました。「とうたん、がん細胞が発見されたらしいよ。」
父は黙って、しかし明らかに動揺しながら荷物の整理をし続けていました。とてもかわいそうでした。
ドクターからも(末期であることと、悪性の癌だという点を除いて)説明を受け、いったん退院して病院を探すことになりました。
退院したその病院のロビーで、真っ先に父がしたことは、国選弁護を辞退するための書類を書くことでした。正当理由無く国選弁護を懈怠すると、弁護士として処分されてしまうのです。それを何より心配していました。
レントゲンの写真をよーく見ると、右の気管支と肺との境目あたりが、ほんのちょっと腫れてみえる、ここに何かがあるかもしれないので、検査するということでした。本当によーくよーく見ないと、ただの肺炎にしか見えないところを、このドクターはよく気づいてくれました。
具体的には内視鏡検査をするということです。父はものすごく嫌がりました。過去、胃カメラ検査が必要な時でも、まさに胃カメラを入れようとする段階で、「やはりやめる」と言って帰ってきたことがあるのです。それを胃どころか、普段ものが入ってはいけない気管支に挿入するというのですから、とても怖がっていました。
内視鏡検査のあと、病院へ行くと、父が真っ赤な顔をしてうなされていました。肺を引っ掻き回されて、高熱が出ていました。とてもかわいそうでした。今思えばどうせ死んでしまうんだったら、こんな辛い検査受けさせなければよかったと思います。
3日間の検査入院最終日の前夜、病院に行ってきた母と妹が帰ってきました。「がんだって、がんだって!」翌日ドクターから結果を聞くことになっていましたが、母と妹が待ちきれずに、ドクターに聞いてきたらしいのです。とても悪性の癌の、しかも末期だということでした。
私と妹はたまらなくなり、また父のところへ駆けつけました。父は熱も下がり、「何二人そろって、こんな夜にまた来たの?」という感じでした。でも私は父の顔を見る時間はもうあまりないのかもしれない、という思いで父の顔を必死でのぞいていました。
母と妹と話し合った結果、治療のためには癌だということを本人に知らせる必要がある、でも父はとても気が弱いので、末期だと言うわけにはいかない、また、ドクターから始めに聞くのはショックが大きいから、長女である私から、軽く言っておこう、ということになりました。
次の日、退院の支度をしながら、私は父に言いました。「とうたん、がん細胞が発見されたらしいよ。」
父は黙って、しかし明らかに動揺しながら荷物の整理をし続けていました。とてもかわいそうでした。
ドクターからも(末期であることと、悪性の癌だという点を除いて)説明を受け、いったん退院して病院を探すことになりました。
退院したその病院のロビーで、真っ先に父がしたことは、国選弁護を辞退するための書類を書くことでした。正当理由無く国選弁護を懈怠すると、弁護士として処分されてしまうのです。それを何より心配していました。
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